昼間のカブトムシ

カブトムシはご存知の通り夜行性です。では昼間カブトムシはどこに隠れているのでしょうか。

“樹液の出ている木の根元付近の地面に潜っている”との記述をよく目にしますが、地面を掘ってもクワガタは見つかってもカブトムシが出てくることはあまりありません。

ごく一部の熱心なアマチュアの観察者は、昼間カブトムシが休んでいる場所を経験的に知っていたようですが、科学的に解明されたのは2013年になってからです。台湾でカブトムシを調査している北米の研究者が、カブトムシに発信機を背負わせて、行動を追跡したのです(McCullough 2013, J Insect Behav)。その結果、昼間地面に潜る個体は少なく、多くの場合、えさ場の近くの樹冠部で休んでいることがわかりました。また、決まったねぐらがあるわけではなく、同じ樹液に連日訪れた場合でも、異なる場所をねぐらとするようです。

樹液の出ている木の上の方をよく探すと、休んでいるカブトムシに出会えるかもしれません。

樹の梢で休むオス
樹の梢で休むオス